「SESでスキルが身につかない」は本当か
「SESに3年いたのに、何もスキルが身についていない気がする」。これはSESエンジニアに非常に多い悩みです。
結論から言うと、SESの構造上、スキルが身につきにくい環境にあるのは事実です。しかし、それはSESに「いるだけ」では成長できないという意味であり、環境を工夫すれば成長は可能です。
理由①:案件次第でやることが決まる
SESでは、自分でやりたい仕事を選べるわけではありません。営業が取ってきた案件に入るのが基本です。
- テストや手順書作成ばかりの案件に配属される
- レガシーシステムの保守で新しい技術に触れられない
- 短期案件の繰り返しで、一つの技術を深く学べない
特にテスター業務のみの場合、プログラミングスキルが育たず、キャリアの選択肢が狭まるリスクがあります。テスターの平均年収は370〜400万円で、開発エンジニア(約500〜570万円)との差も開いていきます。
理由②:教育体制が整っていない
多くのSES企業は、エンジニアの教育を現場任せにしています。
- 入社時の研修が数日〜数週間で終わり、すぐ現場に放り込まれる
- 技術的な質問ができるメンターがいない
- 自社に戻る機会が少なく、社内での勉強会や情報共有がない
理由③:成長の方向性が定まらない
SESでは案件ごとに技術スタックが変わるため、一貫したスキルの蓄積が難しいという問題があります。
- 前の案件ではJava、今回はCOBOL、次はテストのみ
- 「浅く広く」なってしまい、強みがない状態に
- キャリアの軸がブレて、転職時にアピールしにくい
SESにいながらスキルアップする5つの方法
方法1:自分のキャリア軸を決める
「何の技術を武器にするか」を自分で決めましょう。案件に左右されない「自分の軸」を持つことが最も重要です。
- Web開発(React/TypeScript/Node.js)
- インフラ/クラウド(AWS/Azure/Terraform)
- データ(Python/SQL/BigQuery)
方法2:業務外で個人開発をする
現場でスキルが身につかないなら、自分で作りましょう。
- GitHubにポートフォリオを公開する
- 技術ブログを書いて学びをアウトプットする
- OSS(オープンソース)にコントリビュートする
方法3:資格を取得する
資格は客観的なスキル証明になります。SESの案件アサインにも有利に働きます。
- AWS認定:クラウド案件へのアサインに直結
- 基本/応用情報技術者:IT基礎力の証明
- LPIC/LinuC:インフラ案件に有利
方法4:営業に案件の希望を伝え続ける
黙っていては、営業はあなたの希望を知りません。定期的に以下を伝えましょう。
- やりたい技術領域
- 避けたい業務(テストのみ等)
- キャリアの方向性
方法5:環境を変える決断をする
上記を試しても改善しない場合は、環境を変えることも選択肢です。自社開発企業や、教育体制の整った企業に転職することで、強制的に成長環境に身を置くことができます。
スキルが身につく環境の特徴
- コードレビューの文化がある
- 技術的な議論ができるチームメンバーがいる
- 新しい技術への挑戦を推奨する雰囲気がある
- 1on1やメンター制度がある
- 勉強会や技術共有の場がある
まとめ:スキルがつかないのは、あなたのせいではない
SESでスキルが身につかないのは、あなたの能力の問題ではなく、環境の構造的な問題です。
- SESの構造上、案件次第でスキルが左右されるのは事実
- しかし、自分の軸を決めて業務外でも学べば成長は可能
- それでも限界を感じたら、環境を変える決断も重要
- 「スキルがない」のではなく「スキルを伸ばせる環境にいなかった」だけ
今の環境で成長が止まっていると感じるなら、まずは自分のキャリア軸を決めるところから始めてみましょう。