「SESを辞めたい」と思っているあなた。その気持ちは決して間違っていません。
筆者自身、SES企業で3年間働き、客先常駐の日々に疲弊した経験があります。しかし、勢いだけで辞めてしまうと後悔するケースもあります。
この記事では、SESを辞める前に必ず確認しておくべき3つのポイントを、実体験をもとに解説します。
①「辞めたい理由」を言語化する
なぜ言語化が重要なのか
「なんとなく辛い」という状態で転職活動を始めると、面接で志望動機がブレてしまいます。また、転職先でも同じ不満を抱える可能性があります。
まずは以下の項目に当てはまるものをチェックしてみてください。
- スキルが身につかない:テスト工程ばかりで、開発経験が積めない
- 給料が低い・上がらない:還元率が低く、年収に不満がある
- 現場ガチャがつらい:配属先を選べず、当たり外れが激しい
- 帰属意識がない:自社への帰属意識がゼロで、キャリアの軸が見えない
- 人間関係のリセット:現場が変わるたびに人間関係がリセットされる
- 将来が見えない:5年後、10年後の自分が想像できない
筆者の場合
筆者がSESを辞めたいと思った最大の理由は「スキルが身につかない」でした。3年間で担当したのはテスト工程とドキュメント作成がメイン。同年代の自社開発エンジニアがReactやTypeScriptでプロダクト開発をしているのを見て、強い焦りを感じました。
辞めたい理由を明確にすることで、「次の職場に何を求めるか」が自然と見えてきます。
②現在の市場価値を把握する
SESエンジニアの市場価値は意外と高い
「SESにいたから市場価値が低いのでは」と不安に思う方は多いですが、実はそうとは限りません。
SESで培った経験の中にも、転職市場で評価されるポイントがあります。
- 多様な現場経験:複数のプロジェクトを経験していること自体がアピールポイント
- コミュニケーション力:客先で初対面のチームに溶け込む力は、どの企業でも評価される
- 適応力:異なる技術スタック、異なる業務フローに適応してきた実績
- 基礎的なIT知識:インフラ、ネットワーク、セキュリティなどの幅広い知識
市場価値を確認する具体的な方法
転職サイトでスカウトを受けてみるのが最も手軽な方法です。プロフィールを登録して1〜2週間待つだけで、自分にどんなオファーが来るかが分かります。
また、転職エージェントに相談すれば、現在の経歴でどのくらいの年収帯が狙えるか、客観的なフィードバックをもらえます。
③退職のタイミングと手順を整理する
SES特有の退職の難しさ
SESの退職が通常の退職と異なるのは、「客先のプロジェクトに参画中」という状況があるからです。
よくある不安として以下があります。
- 「プロジェクト途中で辞めたら損害賠償を請求されるのでは?」
- 「自社の営業に申し訳ない」
- 「引き継ぎが大変そう」
結論:法的にはいつでも辞められる
民法627条第1項により、期間の定めのない労働契約(正社員)は、退職の意思表示から2週間を経過すれば退職できます。これはSESであっても同じです。
SES契約は「準委任契約」であり、契約当事者はSES企業とクライアント企業です。あなた個人は契約当事者ではないため、労働者個人が損害賠償を負うことは原則ありません。
ただし、実務上は以下の手順を踏むのがスムーズです。
- 1ヶ月前に自社の上司に退職の意思を伝える(法的には2週間前でOKだが、円満退職には1ヶ月前が望ましい)
- 自社から客先に要員交代の連絡をしてもらう(あなたが直接客先に言う必要はない)
- 引き継ぎ資料を作成する(後任への配慮として)
- 有給休暇を消化して退職(労働基準法第39条で保障された労働者の権利です)
退職を言い出しにくい場合
「退職を切り出せない」「引き止めが強い」という場合は、退職代行サービスの利用も選択肢の一つです。SESの場合、自社営業との関係上、退職の意思を伝えにくいケースが多いため、退職代行の利用を検討するエンジニアも増えています。
まとめ:「辞めたい」は行動のサイン
SESを辞めたいという気持ちは、キャリアを見直すきっかけです。
- 辞めたい理由を言語化する → 次に求める条件が明確になる
- 市場価値を把握する → 転職の選択肢が具体的に見える
- 退職の手順を整理する → 不安が解消され、行動に移せる
この3つを確認した上で、「やっぱり辞めたい」と思えたなら、それは正しい判断です。SESの経験は無駄ではありません。次のステップに進むための土台として、必ず活かせます。